重要なお知らせ IMPORTANT NOTICE
- 2024.09.03 医薬品自己負担の新たな仕組み(*2024年10月1日より)
- 2024.07.29 病院駐車場 運用変更のご案内(*2024年8月1日より)
- 2024.07.23 『院外処方』へ変更のお知らせ(*2024年8月1日より)
頸椎の外傷はラクビー、アメフト、格闘技などのコリジョンスポーツの際に発生することが多く、症状が軽度のものから、重篤な麻痺を生ずるものまで様々な段階の障害が存在します。
ラクビー、アメフトなどのタックル、衝突などで頸椎が通常の可動域以上に曲がることにより、頸椎から出て、上肢を支配する神経が挟まれたり、引っ張られたりするために起こります。
頸椎から上肢にかけて放散痛を生じます。しびれや灼熱感を感じることもあります。
通常は安静や痛み止めの内服などで症状が改善することが多いです。
しかしながら、頸椎の脊柱管狭窄を有する患者さんは症状が長引き、再発を繰り返すことがあります。
しびれの増悪や、手指のしびれがとれない、力が入らないなどの症状がある場合は、スポーツ整形外科を受診し、MRIなどの検査を必要とする場合があります。
数日から2週間位の期間で症状が改善することが多いです。
ラクビー、アメフト、格闘技などのコリジョンスポーツ以外にも、後方からタックルを受けるサッカーなどでも起こることがあります。頸部を捻るような衝撃により受傷し、頸部から頭部、両肩にかけての強い疼痛、頸椎の運動制限が主な症状です。
スポーツによる頸椎の外傷というと一番多いのが頸椎捻挫です。当障害は筋肉、靭帯、関節などの軟部組織の損傷が原因と考えられています。頸椎捻挫の代表的な損傷形態は頸椎の過伸展損傷であり、交通事故で止まっている車に後方から追突されて頸椎が後ろに伸展する際に起こるむち打ち損傷と同様な形態をとります。
頸椎の安静時痛、運動時痛が主です。痛みが両肩甲骨に放散することもあります。
頸椎捻挫は通常数日から数週間以内に治ることが多いので、その間は練習量を減らすなどして対応することとなります。
頑固な頸部痛が数日以上続く場合は、レントゲン撮影をして骨折がないことを確認する必要があります。骨折がなくても頸椎の構造には個人差があり、症状の改善にも個人差があるため、治療が長期化することがあり得ると理解しましょう。また、もともと頸椎に脊柱管狭窄がある場合、しびれが出たり、症状が長く続く場合がありますので、その際は来院していだきMRI検査を受ける必要も出てきます。
数日から2週間くらいの期間で症状が改善することが多いです。
ラクビー、アメフト、水泳の飛び込み、格闘技、体操、スキーなど種類は様々です。
受傷形態の例を挙げると、ラクビー、アメフトはタックル、スクラムの際に頸椎が過屈曲して脱臼骨折が起こり、脊髄損傷が起きます。水泳の飛び込みは、プールの底に頭をぶつけて、頸椎が過伸展して脊髄が挟み込まれることにより脊髄損傷が起きます。スキー、体操などは頭から転落や転倒した際に起こります。
頸髄損傷には頸椎の脱臼や脱臼骨折を伴うことが多く、頑固な頸部痛により頸椎の運動制限が出ます。
重症頸髄損傷の場合、受傷後より上下肢の麻痺を生じ、横隔膜の麻痺により呼吸障害、自律神経の麻痺により低血圧や除脈を生じ、ショックといわれる状態になります。
頸髄損傷には主にFrankel分類、ASIA分類の2種類があり、それぞれ麻痺が重い完全麻痺から、麻痺の軽い不全麻痺へ5段階の評価方法となっています。
不全麻痺の場合は脊髄機能が一部残った状態であり、残存機能のリハビリテーションにより症状が改善する可能性がありますが、最重症の完全麻痺には現在の医療をもってしても治療法はありません。また、頸髄損傷の際は頸髄の交感神経も同時に損傷されるため、損傷直後から体を維持する心臓、呼吸機能が低下するため早急な救急対応が必要となります。
競技の最中の外傷で頸髄損傷が疑われる際は、頸椎を動かさないようにしながら、救急車を依頼、場合によって人工呼吸などの救命処置を行う必要があります。治療は高度救急救命処置が必要となりますので高度医療ができる病院に搬送ということになります。
リハビリテーションにより症状の若干の改善は見込めますが、麻痺は永続的であり、むしろ残存機能のリハビリテーションが中心となります。
現在の医療を持ってしても治療できない脊髄損傷に対しては、上記のようなスポーツに携わるすべての人が頸髄損傷の恐ろしさ、予防方法、対処方法を知っておくことが脊髄損傷を減らせる唯一の方法であると考えています。