重要なお知らせ IMPORTANT NOTICE
- 2024.09.03 医薬品自己負担の新たな仕組み(*2024年10月1日より)
- 2024.07.29 病院駐車場 運用変更のご案内(*2024年8月1日より)
- 2024.07.23 『院外処方』へ変更のお知らせ(*2024年8月1日より)
脳や頸部動脈の動脈硬化や、心房細動などの不整脈・心疾患によって発生した血栓が原因で、脳の動脈が詰まり脳細胞が壊死してしまう疾患を脳梗塞といいます。その中で、心臓や頚動脈から血栓が流れて脳の動脈がつまるタイプの脳梗塞を「脳塞栓」といいます。よくある脳梗塞の症状は、突然に起こる片側の手足や顔面の麻痺・しびれ、失語(言葉が出ない・理解できない)、口のもつれ(構音障害)、視野障害や複視等です。重症になると意識障害も伴います。
発症数時間以内の超急性期で脳梗塞がまだ完成する前であれば、点滴で閉塞部の血栓を溶かす治療(t-PA静注療法)やカテーテルで詰まった血栓を取り除く「血栓回収療法」により劇的な回復が得られる場合もあるため、軽い症状、あるいは症状が一時的で早期に回復した場合でも、できるだけ早くの受診が望まれます。
血栓回収療法は、脳動脈の閉塞部分にカテーテルを誘導し、ステント型の回収器材や吸引カテーテルを用いて、詰まった血栓を除去し血管を再開通させる方法です。血栓回収療法では、自立して自宅に戻れる可能性が従来療法と比較して約2.7倍まで増加したという大規模臨床試験の結果が出ておりますが、一方で治療・再開通の遅れにより患者さんの予後が悪くなることも報告されているため、1分1秒でも早く、可能な限り早期に治療を開始することが重要となります。
血栓回収療法などの治療が成功し症状が劇的に改善した場合には、次に再発予防が重要となります。心房細動などの不整脈が脳外科受診時に発覚した方に対しては早期に対策の内服治療(抗凝固薬)を開始しますが、発作性の不整脈や卵円孔開存といった心臓の「形態異常」による脳塞栓では、原因の特定に時間がかかることが稀ではありません。原因不明の脳塞栓(ESUS)については、当院循環器内科や千葉大学循環器内科と協力し、原因の特定と適切な再発予防策をとれるよう努力しております。
ステント型の回収器材による血管内治療
実際に回収された血栓
治療前
ステント誘導
11分間で完全再開通