医療法人社団 誠馨会 千葉メディカルセンター

脳動脈瘤(くも膜下出血および未破裂脳動脈瘤)

脳の血管の一部が膨らんで瘤状となる血管の異常を脳動脈瘤と言います。脳動脈瘤が発生する原因は明らかになっておりませんが、高血圧、喫煙などが関与している可能性があることが報告されております。また、遺伝の影響や、血管脆弱性を伴う疾患に随伴して発生することもあります。

脳動脈瘤が破裂した場合には「くも膜下出血」となりますが、脳ドックや、外傷などでMRI・CTを行った際に、たまたま脳動脈瘤が見つかることもあります。これらを「未破裂脳動脈瘤」と呼びます。

くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)

くも膜下出血の原因として最も多いのは「脳動脈瘤の破裂」で、くも膜下出血全体の8割以上を占めるとされております。

「突然の頭痛、嘔気」で発症することが多く、重症になると麻痺や意識障害を伴います。動脈瘤の「再破裂」が発生すると経過が不良となるため、早期の再出血予防処置が望まれます。治療方法は血管内治療と開頭クリッピングがありますが、動脈瘤の部位、形態、年齢等を検討し最適な治療法を提案します。再破裂防止の動脈瘤処置が成功した後も、脳血管攣縮による脳梗塞や水頭症などが併発する危険があるため、それらに対する治療が必要となります。最短でも3週間以上の入院管理を要することが多く、自宅退院が難しい場合には、残存症状に応じてリハビリ施設への転院となります。

未破裂動脈瘤

未破裂脳動脈瘤の多くは無症状ですが、脳神経に接する部位の動脈瘤や巨大な脳動脈瘤が脳や神経の圧迫により症状を出現させることもあります。

本邦および海外での観察研究の結果、未破裂脳動脈瘤のうち破裂しやすいものの特徴が明らかになりつつあります。破裂の危険性は、年齢、大きさ、部位、形態などから判断されますが、将来的な破裂の危険性が高いと考えられる場合には治療を考慮します。将来的な破裂リスクが低い場合など、経過観察がベストの選択と考えられることもあります。

当院では、さまざまな観点から破裂リスクの評価を行った上で、血管内治療の適応を慎重に検討しております。血管内治療には5-10日程度の入院が必要となります。

脳動脈瘤に対する血管内治療

脳動脈瘤に対する血管内治療には、プラチナコイルを用いた「コイル塞栓術」と「フローダイバーター治療」の2つがあります。

コイル塞栓術は、非常に柔軟なプラチナ性の「コイル」を動脈瘤内部に充填し、動脈瘤への血流を遮断、治療を行う方法です。フローダイバーター治療は、フローダイバーターと呼ばれる特殊な「目の詰まった」金属製の筒(ステント)を動脈瘤の入り口に留置し、動脈瘤内への血流を改変・調整し治癒を促す方法です。コイル塞栓術では根治が難しかった大型の動脈瘤に対して良好な治療成績が得られております。

動脈瘤の部位や形により、治療方法の「向き・不向き」があるため、開頭クリッピング術を含め、脳外科内でのディスカッションを十分行った上で、患者さんごとに適切な治療方法を検討し、方針を提案しております。

また、当院では画像データから実物大動脈瘤モデルを3Dプリンターで作成し、より安全な治療を心がけております。

プラチナコイル

動脈瘤にプラチナコイルを充填

未破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術

脳外科クリニックからご紹介

治療時間2時間で完全閉塞(入院期間5日間)

未破裂大型脳動脈瘤

内科クリニックからご紹介

フローダイバーターステント

6か月後完全閉塞

治療直後

コンピューター画像処理

実物大3Dプリンター模型

脳神経外科