医療法人社団 誠馨会 千葉メディカルセンター

虚血性心疾患

心臓の血管が狭くなる、もしくは詰まってしまい、心臓の筋肉への血流が遮断される病気を虚血性心疾患といいます。血管の狭窄により血流が低下した状態にとどまっている病態を「狭心症」といい、血管が完全に閉塞し、心臓の細胞が壊死してしまった状態を「心筋梗塞」といいます。通常は、狭心症の経過を経て心筋梗塞になることがほとんどです。

心筋梗塞は依然として致死率の高い恐ろしい病気ではありますが、早期に病院に搬送いただき、適切に治療が行われた場合には90%以上の方が元気に退院することができます。
急性心筋梗塞と不安定狭心症は、待ったなしの緊急対処を要します。当院では24時間体制で緊急カテーテル治療を実施できるように努めております。新規に胸部症状が出てきた場合や、安静時に出現する胸痛、次第に胸部症状が増悪してくるものを、不安定狭心症と呼び、心筋梗塞に移行する可能性が高い危険な病態です。速やかな治療介入を要しますので、躊躇せずに早めに受診してください。

症状や危険因子

狭心症の痛みの感じ方や表現は様々であり、胸部以外にも、のど、みぞおち、左肩〜左腕、下あごなどに痛み・違和感などを訴える場合もあります。冠動脈疾患の危険因子は高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、高齢、メタボリックシンドローム、動脈硬化の家族歴、などが挙げられます。
当てはまる方で上記のような症状に心当たりのある方には受診をお勧めします。

冠動脈カテーテルインターベンション

狭心症の場合には、病状に応じて、血管を広げ、血流を改善する、カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術:PCI)をご提案いたします。 この判断にあたっては、冠動脈の見た目の狭窄度だけで治療方針を決めるのではなく、近年で最も科学的妥当性を証明されているFFR/iFRという指標を積極的に使用しております。 結果としてPCIの総数は減少する可能性があっても、真に治療が必要な方にのみカテーテル治療を実施します。 実際の治療にあたっては、一般的なバルーン拡張やステント留置のみならず、通常治療困難が予測される高度石灰化病変に対しては、高速回転式アテレクトミー(ロータブレーター)やOrbital アテレクトミーシステム(Diamond back360)、方向性粥腫切除術(DCA)などの専門的技術を要するデバルキングデバイスを駆使し、妥協しない医療を提供いたします。また、強い石灰化病変に対する最新デバイスである、ショックウェーブバルーンによる治療も行なっています。衝撃波を照射することで、硬い石灰化病変を内側から柔らかくし、ステントを適切に拡張することができます。合併症が少ないことが特徴であり、多くの患者さんにとって安全かつ効果的な治療方法を受けていただけます。

Rotablator 画像提供:ボストン

Diamondback360 画像提供:メディキット

循環器内科