心臓血管外科

診療内容

平成26年12月、新病院オープンに伴い、同じ医療法人内にあり既に10年以上の実績のある千葉中央メディカルセンターの心臓血管センターチーム(心臓血管外科・循環器内科)が当院に移設されました。心臓血管外科開設時より、高梨秀一郎医師(榊原記念病院 副院長・心臓血管外科主任部長)に顧問として当課の診療に力強いバックアップを頂きながら、冠動脈バイパス手術、弁形成・弁置換手術、大動脈瘤解離 ・大動脈瘤手術と多岐にわたり、良好な成績の手術加療を行っています。

当科では、専門性を重視し、安全で確実な診断・患者様の生活の質を考慮した治療を行っております。

  1. 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術は、人工心肺を用いず、体に優しい手術として心臓を拍動させたままで手術するオフポンプバイパスを積極的に行っております。また、長期予後を重視して、患者様ご自身の動脈を中心に利用してバイパスを行うことを基本としています。冠動脈びまん性高度動脈硬化に対して 動脈硬化性内膜やステントの除去と広範囲バイパス手術を行うことで、通常のバイパス手術では困難な完全血行再建を実現しています。
  2. 弁膜症に対しては、生活の質を第一に考え、手術後なるべく、生活に制限を加えるような薬剤を服用しないで済む手術を行って、人工弁置換を行うような場合には十分な説明をし、その患者様に最も適した人工弁を選択しています。
  3. 心房細動などの不整脈の外科治療も積極的に行っており、弁膜症の手術と同時に行い、術後抗凝固剤を服用しないで済むように心がけています。
  4. 破裂すれば極めて死亡率の高い大動脈の手術も安全に行っています。また、患者様の基礎疾患や状況によっては大動脈瘤の形態や場所を考慮し、より低侵襲なステントグラフト治療も行っています。
  5. 閉塞性動脈硬化症に対しては、主に人工血管を用いたバイパス術を施行しています。また、経カテーテル的な狭窄拡張術を組み合わせたハイブリッド治療も積極的に行っています。

弁膜症、急性大動脈解離等の人工心肺を必要とする手術も、臨床工学技士チームの高度な体外循環技術により良好な治療成績を得ています。 手術後は、理学療法士と病棟看護師が協力し、担当医師の下、患者さまの最善のプログラムを検討し、患者さまと共に早期退院・社会復帰に向けて、体力改善・日常生活活動の向上を目標に支援させていただきます。
また、千葉市では透析センターが併設されている心臓手術実施施設が非常に少ないのですが、当院では集中治療室内に透析室が新たに併設され、維持透析患者さまの入院治療中の透析が対応可能になりました。そのため、透析患者さまに対しても最先端の治療を取り入れて手術加療に臨んでいます。人工心肺装置充填量の節減、血液心筋保護法、術中透析など行い、手術後は院内透析室にて維持透析を受けていただきます。
※ 退院後は元の病院にて透析を実施して頂いております。
※ 当院では維持透析(通院透析)の対応はいたしておりません。
  このようにリスクが高い患者様や80歳を超えるご高齢の患者様にも比較的安全に手術が行えるようになりました。

お体のご負担の少ない、「腹部ステントグラフト内挿術」を 開始しました!

2015年4月に、胸部・腹部ステントグラフト実施施設の認定を受けました。
ステントグラフト内挿術は、金属製の骨組みに支えられたグラフト(人工血管)を、周辺組織を外科的に切開することなく、動脈瘤の長さの範囲内に留置します。弱くなった血管壁を内側から補強し、動脈瘤が破裂するのを防ぎます。

開胸・開腹手術を行ってきたケースでも、ステントグラフトの適応があれば、患者様にとってお体の負担の少ない血管内の治療を提供することが可能になりました。
もちろん、従来の開胸・開腹手術においても、切創範囲を少しでも狭める努力を続けております。

心臓血管外科は「患者様の快復」という目標を共有する多職種によるチーム医療です。
当院は、患者様にとって日々新たに最良の診療を提供できるチームと自負しております。
心臓・血管疾患にお悩みの患者様はもちろん、ご家族に患者様がおられる方、セカンドオピニオンをご希望される方も是非一度ご相談ください。責任を持って診療・対応致します。

※緊急治療を要する、急性大動脈解離、胸部大動脈切迫破裂、腹部大動脈破裂などについては、24時間対応しています

認定施設

  • 3学会構成心臓血管外科専門医認定機構基幹施設
  • 胸部ステントグラフト実施施設
  • 腹部ステントグラフト実施施設

主な対象疾患

  • 虚血性心疾患
    狭心症・心筋梗塞による合併症
  • 弁膜症
    大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症
    僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症
    感染性心内膜炎、弁置換術後の人口弁不全、弁形成後の逆流再発や狭窄症
  • 先天性心疾患
    心房中隔欠損症、その他一部の先天性心疾患
  • その他の心疾患
    閉塞性肥大型心筋症、心房細動、心臓腫瘍、心臓内血栓
  • 大動脈疾患
    胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤
    急性大動脈解離、慢性大動脈解離、解離性大動脈瘤
  • 末梢動脈疾患
    閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞、慢性動脈閉塞

その他の心臓・血管疾患もお気軽にご相談ください。

症例数

平成29年度手術実績
心臓・大血管176例
冠動脈バイパス術
 off-pump
 on-pump
 
8例
38例
弁置換術及び弁形成術
 1弁
 2弁
 3弁
 
29例
4例
1例
冠動脈バイパス術+弁置換及び弁形成術 14例
大血管手術
 開胸術
 胸部ステントグラフト術
 
64例
14例
先天性 1例
その他 3例
末梢血管・腹部大動脈瘤86例
腹部大動脈瘤及び他末梢血管動脈瘤
 開腹術
 腹部ステントグラフト術
 
24例
37例
ASO血行再建術 17例
急性動脈閉塞 5例
末梢血管・腹部大動脈瘤・その他 3例
その他43例

担当医表

診療科
心臓血管外科
(午前のみ)
休診 初診外来
(完全予約)
三原
服部
(完全予約)
交替制
(完全予約)
交替制
(完全予約)
術前外来
処置外来
(完全予約)

心臓リハビリテーション

当院における心臓リハビリテーションのご紹介

当院では、心臓手術後1日目から立位練習・歩行練習を中心としたリハビリテーションを行っています。 心臓を手術した翌日から、本当に歩く練習をするの?大丈夫?と、驚きの声も聞かれそうですが、むしろ長い間 寝たきりでいることのほうが様々な悪影響を体に及ぼします。たとえば、1週間寝たきりで過ごすと、下肢の筋力は2 割低下し、心肺機能も低下してしまうことが分かっています。ご年配の方にとっては特に、その低下を元に戻すこと は非常に難しく、訓練とコツが必要になります。

手術後、心臓や肺の状態が安定していれば、寝たきりで過ごす理由はありません。歩行練習を積極的に行って いくことにより、筋力及び心肺機能の改善が見込まれ、術後の二次的合併症(筋力低下、肺炎、無気肺、感染症など)予防、体力回復、早期退院につながります。

見出し

患者様が少しでも手術後の状況に安心感を得られるように、手術前にリハビリのオリエンテーションを行い、疑似体験もして いただいています。
まず始めに、看護師が、手術後の状態を説明します。例えば、

  • 胸の中心に大きな傷ができる
  • 傷を保護する胸帯(サラシのようなもの)を巻く
  • 点滴が入る(腕からだけではなく首からも入ります)
  • ドレーンという管や尿を出す為の管が体から出ている
  • 酸素投与を受ける(マスクなど)   など。

この際に、患者様のお体に、模擬的に点滴や酸素マスクや ドレーンの管を装着し、その状態で引き続き理学療法士と一緒に「歩く練習」を体験し、手術後のリハビリを患者様 にイメージしていただきます。どのように動けば良いのか、痛みの無い時に経験し想像することで、実際のリハビリが スムーズに進むことにつながります。

見出し

これまで特に意識しなかった起居動作も、体の動きに制限がある状態で行うと、スムーズに行えない場合が出てきます。お体に必要以上の負担なく、少しでも早く元の生活に戻れるよう、工夫やコツをお伝えします。

  • ベッドからの起き上がり方法
  • 痰を出す練習(胸が痛くならないように)
  • 点滴が入る(腕からだけではなく首からも入ります)
  • 立ち上がり方法
  • 寝返り方法   など。

私たちは、担当医師の下、心臓リハビリテーション専従者を含む数名の理学療法士と病棟の看護師がチームとして協力しながら対応しています。患者様と共に早期退院に向けて、体力向上、日常生活活動の向上を目標に、支援させていただいております。

当院における心臓リハビリテーションの流れ

医師紹介

三原医師イラスト

三原 和平(心臓血管センター副センター長,心臓血管外科診療部長)

  • 卒業年
    平成5年
    専門分野
    心臓大血管・末梢血管一般
    資格等
    3学会構成心臓血管外科専門医
    日本外科学会専門医

服部医師イラスト

服部 隆司(心臓血管外科部長)

  • 卒業年
    昭和63年
    専門分野
    心臓大血管・末梢血管一般
    資格等
    3学会構成心臓血管外科専門医・修練指導医
    日本外科学会専門医・指導医

松下医師イラスト

松下 明仁

  • 卒業年
    平成15年
    専門分野
    心臓大血管・末梢血管一般
    資格等
    3学会構成心臓血管外科専門医
    日本循環器学会認定循環器専門医
    日本外科学会専門医
    ヨーロッパ心臓血管学会国際会員

湯本医師イラスト

湯本 啓太

  • 卒業年
    平成27年
    専門分野
    心臓血管外科
    資格等
    日本救急医学会ICLSインストラクター
    AHA BLSプロバイダー
    AHA ACLSプロバイダー